健康・運動にも「効率」を!
~低酸素システムについて~
健康への意識が高まる中で忙しい現代人に効率のよいトレーニング方法をご紹介します!
多くのトップアスリートが取り入れてきた高地トレーニング。低酸素空間にいるだけで体に負荷がかかる高地トレーニングは、短時間で効率のよい運動ができます。
今回、ダイキン工業の技術を利用して、高地環境を模擬した低酸素トレーニング空間を日常的で手軽なものとして提案することが可能となりました。
酸素濃縮装置は空気中の酸素と窒素を分離し、高濃度酸素を生成する装置なので、逆の構造に作れば窒素濃縮装置にもなるものです。この技術を活かし、酸素と窒素のバランスを変えて、高地空間を作り出すことが出来ました。
ここで、低酸素トレーニングの主な4つの効果を紹介します。
1 :持久力向上
低酸素空間でのトレーニングは、身体の酸素需要が高まり、結果として赤血球やヘモグロビン濃度の上昇、毛細血管およびミトコンドリアが発達します。酸素運搬能力や組織での酸素利用能力といった代謝能力が向上します。また、乳酸が溜まりづらく、高強度で運動できる時間が長くなります。
2 :脂肪燃焼効果 低酸素空間でのトレーニングは、筋肉中のグリコーゲンを積極的にエネルギーとして使用することで、生体反応として筋肉中のグリコーゲン量が増加します。また、同時に筋肉中のミトコンドリアの活性化により脂肪燃焼効果がアップします。これらの効果によって発汗量も増えダイエットなどにも繋がります。
3 :適正な食事量に 低酸素空間でのトレーニングは、グレリンという食欲増進ホルモンが抑制されます。結果として適正な食事量になります。
4: 短時間の運動でも大きな効果 低酸素空間では、平地環境より身体に対する負荷がかかるため、同じ運動を行った際の負荷も上がります。よって通常時よりも短時間で十分な効果を得ることができます。
出典)https://www.point0.co.jp/news/20220330-2/
2019年のノーベル医学生理学賞は「低酸素応答」のメカニズムを解明したアメリカのジョンズ・ホプキンス大のグレッグ・セメンザ先生が受賞されています。
人間は低酸素状態になると「エリスロポエチン」というホルモンが増え、赤血球が多く作られます。細胞の酸素が不足すると、HIFというタンパク質が作られるのですが、このタンパク質があることによってより多くの酸素を取り込める為、低酸素の環境でも生きていけるというメカニズムです。この「低酸素応答」をスポーツに応用しているのが、低酸素トレーニングや高地トレーニングです。
酸素が薄い状態でトレーニングする→赤血球が多く作られる→より多くの酸素を体内に運搬できる
→持久力が上がるという流れです。
現在、ダイキン工業と参画企業19社にて共同運営している実証実験型シェアオフィスpoint0marunouchiにて、低酸素ルームを設置しオフィスでの効果検証をしています。
→point 0についての詳しい過去記事はこちらから
この実証実験では、賛同頂いた参画企業の社員に被験者として協力してもら い、週1~2回、各30分~1時間程度で低酸素ルーム内にてワークアウトを行います。そして2週間に1回、体組織、血圧、肌水分量を計測します。
~被験者の声~
・WEB打合せ続きで肩こりを自覚し、数分運動をすると、こりが消え集中して業務に取り組めた。
・直前の打合せでの気分を引きずることなく、次の打合せに切り替えられた
・お肌の状態が良くなり、偏頭痛も解消した。
・浮腫みが解消した。
ちなみに低酸素ルームは富士山の5合目と同等の酸素量に設定されており、同じ運動でも高い効果が期待されます。
低酸素ルームの活用イメージとしては下記のようなシーンはいかがでしょうか?
◎フィットネスジムの一角に
◎企業実業団のトレーニングルームに
◎企業の福利厚生施設に
プロのトレーニング環境としてだけでなく、従業員のエンゲージメント向上、生産性向上、健康維持・増進の観点で、本社やテナントの一部としての検討も進んでいます。
目的・用途・場所など、活用の幅は広がっていきそうですね。
近い将来には「仕事しながらフィットネス」なんてことが当たり前になるかもしれません。
仕事も働き方も気持ちも健康も、まさに“ワーク・ライフ・バランス”が大切ですね。
次回は低酸素システムを開発したダイキンメンバーにインタビューしましたので、その内容をお届けしますどうぞお楽しみに!
関連リンク
・ダイキンニュースリリース
オフィスでの手軽な低酸素トレーニングによる健康増進効果の
実証実験を開始