協創が生み出した技術

UVCを搭載した業界初の空気清浄機

今回発売した空気清浄機は弊社のストリーマ技術と、ウイルスや菌の抑制効果が高い波長265nmの深紫外線を照射する、旭化成グループのCrystal IS社(米国)のUVC-LED『Klaran(クララン)』を搭載することでフィルターに集塵したウイルスを30分で99%以上抑制、菌は従来製品に比べ約10倍速くすることができました。UVCを搭載した空気清浄機としては業界初の画期的な商品となり、まさに旭化成とダイキンの協創が生み出した技術といえます。

協創のウラガワ

さて、前置きが長くなりましたが、ここからは初めて架電製品にUVC技術を搭載するに至った旭化成と、ダイキンの出会い、そして製品化するまでに苦労した点などを両社の担当者へのインタビュー、トークセッションにて製品ができるまでの裏側と共にお届けします。


UV空気清浄機の誕生秘話についてお話を聞かせて頂きました。
 

旭化成㈱ マーケティング&イノベ―ション本部 末吉様

ダイキンの工場メンバーとの打合も、ほとんど1人でご担当されたとのこと。技術的知見を持ち、市場調査からマーケティング営業まで幅広くご活躍されている。

 
空気だより:家電製品にUVCが使われたのは初めてとお伺いしました。そもそもUVはどのような技術なのでしょうか?
 
末吉さん :UVとは ultraviolet 、紫外線のことです。紫外線は可視光線よりも波長が短い光で、特に100~400nmの波長域のものを指します。 波長別に315~400nmの「UVーA」、280~315nmの「UV-B」、100~280nmの「UV-C」(深紫外)の3種類に分類 されます。その紫外線の中でも最もエネルギーが高く、生体に対する強い破壊力を持つのがUV-C(深紫外線)で、「生物のDNAは、自然界には存在しない280nm以下の光を浴びると破壊される」 という特性を活かし、医療機器や工場、研究機関、食品分野など主に業務用の殺菌や検査用途に利用されており、生活面でもトイレ、キッチン、調理器具などの殺菌・消臭や水の浄化、空気の除菌などで使用されています。今回搭載しているUVCの光源はLEDとすることで、従来の水銀ランプでの環境課題を解決しています。 
 
空気だより:265㎚のメリットについては如何でしょうか?
 
末吉さん : 旭化成の UVC-LED の強みというのはその効果が最も高い265nmの光を出せるという所です。他メーカーさんが使われている280 nm とか285nmと比較すると、菌やウイルスによっても異なりますが、2倍から4倍ぐらいの殺菌効果があります。  またボストン大学と共同研究で、UVC-LED で新型コロナウイルスの殺菌ができること且つ265nmが他の波長と比べ非常に 効果が高いということを実証しました。 
 
空気だより :家電製品実装にあたり懸念していた点はありますか?
 
末吉さん  :1つはUVC光をどこに当てるかを設計してもらうこと。もう一つは安全性の担保です。 265nmのUVC-LEDは非常に強力な除菌パワーがある波長ですが、使用方法や設置場所によって除菌効果が変わります。今回、確実に効果が出る最適な場所はどこなのかシミュレーションをサポートさせて頂きました。2つ目の安全性という点では除菌効果
が高い分、人体に当たると有害になるため、安全性を製品として担保していただけるかということが最大の懸念点でした。
その点についてはダイキン工業にて大変工夫して頂き、安全に使って頂ける製品にして頂きました。 

〇次回は課題であったUVCの光をどこに当てるか、安全性の担保についどのように工夫したのか両社トークセッションが繰り広げられますので、是非楽しみにしていて下さいね! 

(関連リンク)

・UVストリーマ空気清浄機 製品仕様

https://www.daikinaircon.com/ca/uv/index.html

・UVストリーマ空気清浄機 プレス発表

http://www.daikin.co.jp/press/2021/20210301/

(参考リンク)

・梅雨の時期のお助け商品 カライエ

http://www.daikinaircon.com/karaie/